50年前パート2 井上悦子さん
名古屋中村税務署には、同年代の女性職員が3名いました。所得税課に2名、総務課に1名という構成です。美人というほどではなかったと思いますが(失礼いたしました。)、よくしゃべる、よく動くというタイプの女性たちでした。所得税課の2名は、同じ課の人と結婚しました。そんなもんですよ。総務課の女性は、井上悦子さんという人で、ちょっとかすれた明るい声でよくしゃべる人で、田舎者の私にとっては憧れる好みのタイプでした。署内を動き回る人なので、私がいる徴収課へも用事で来ることがあり話をしたことがあります。署内には、若い独身の男がたくさんいましたので、私のような人間ではアプローチするのは無理だと思って、あこがれを抱いているにすぎませんでした。
転勤があり、私は名古屋中税務署の所得税部門へ異動し、彼女は国税局へ異動しました。建物は同じです。国税局が作成している職員向けの広報誌があるのですが、慶弔、退職、新任等の記事が載ります。ある時、井上悦子さんが退職のところに載っていました。結婚のところではなく退職です。
最近なぜか、井上悦子さんのことを思い出します。彼女は私のことなど忘れてしまったでしょうが、私の心の中には彼女への思いが、淡い炎がともるように残っているのです。私には連絡するためのてがかりがまったくありませんので何ともしようがないのですが、彼女はどのような人生を歩んでいるのでしょうか。このホームページを見る機会があったら、是非とも連絡をお願い致します。お待ちしています。
人生の中でしっかりとした記憶に残るのは、最初に勤めた場所での思い出ではないかと思います。いわゆる人生の原点がそこにはある、と最近気が付きました。ちょっと遅かったようですね。私の人生は後悔だらけなのです。